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賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転に関する問題 「賃貸不動産経営管理士」の試験まで52日 平成28年の過去問 問15

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「賃貸不動産経営管理士」の試験まで52日

賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転に関する問題 「賃貸不動産経営管理士」の試験まで52日 平成28年の過去問 問15

「賃貸不動産経営管理士」の試験まで52日。

今日は、賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転に関する問題です。

賃貸不動産の管理と関係があるオーナーチェンジや競売の時の賃貸契約の内容になります。

「賃貸不動産経営管理士」の試験 平成28年の過去問 問15

【問 15】賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 貸主が、自己の所有建物を借主に賃貸して引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合には、特段の事情がない限り、貸主の地位もこれに伴って第三者に移転し、敷金に関する権利義務も第三者に承継される。
  2. 建物について抵当権が設定され、その登記がされた後に、賃貸借契約が締結された場合、当該抵当権が実行され、買受人に当該建物の所有権が移転したときは、貸主の地位は当然に買受人に移転する。
  3. 建物について抵当権設定登記がされる前に賃貸借契約が締結され、借主が当該建物の引渡しを受けた場合、その後に設定された抵当権が実行され、買受人に当該建物の所有権が移転したときは、借主は建物を明け渡さなければならないが、買受けから6ヵ月間は明渡しを猶予される。
  4. 担保権の登記がされていない建物について賃貸借契約が締結され、借主が当該建物の引渡しを受けた後に、当該建物が貸主の債権者によって差し押えられ、競売された場合には、借主は建物を直ちに明け渡さなければならない。
ぶた
賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転に関して、最も適切なもの(正しいもの)の選択肢を選ぶ問題です。

1.貸主が、自己の所有建物を借主に賃貸して引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合には、特段の事情がない限り、貸主の地位もこれに伴って第三者に移転し、敷金に関する権利義務も第三者に承継される。

そのままです。

貸主が、自己の所有建物を借主に賃貸して引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合には、特段の事情がない限り、貸主の地位もこれに伴って第三者に移転し、敷金に関する権利義務も第三者に承継されます。

実務上、オーナーチェンジの場合、買主は貸主に不動産の売買代金を支払います。そのうえで、売主は借主から預かっている敷金を買主に支払い、敷金の返還義務が買主に移ります。

その為、選択肢①は正しいです。

2.建物について抵当権が設定され、その登記がされた後に、賃貸借契約が締結された場合、当該抵当権が実行され、買受人に当該建物の所有権が移転したときは、貸主の地位は当然に買受人に移転する。

建物について抵当権が設定され、その登記がされたに、賃貸借契約が締結された場合の話です。

この賃貸借契約は、抵当権の設定がある事を承諾した上での契約ですので、この抵当権が実行され買受人に当該建物の所有権が移転したとき、借主は買受人に賃借権を主張することができません。

買受人から契約の解除を申し込まれた場合は、借主は6か月までの間に退去をしないといけませんので、貸主の地位は当然に買受人に移転する訳ではありません。

その為、選択肢②は誤っています。

3.建物について抵当権設定登記がされる前に賃貸借契約が締結され、借主が当該建物の引渡しを受けた場合、その後に設定された抵当権が実行され、買受人に当該建物の所有権が移転したときは、借主は建物を明け渡さなければならないが、買受けから6ヵ月間は明渡しを猶予される。

選択肢②と逆の問題です。

抵当権設定登記がされるに賃貸借契約が締結された場合の話です。

この抵当権は、賃貸借契約がある事を承諾した上で設定した抵当権です。借主が当該建物の引渡しを受けた後に抵当権が実行され、買受人に当該建物の所有権が移転したとき借主は買受人に対して賃借権を主張すると事ができますので、建物を明渡す必要はありません。

その為、選択肢③は誤っています。

4.担保権の登記がされていない建物について賃貸借契約が締結され、借主が当該建物の引渡しを受けた後に、当該建物が貸主の債権者によって差し押えられ、競売された場合には、借主は建物を直ちに明け渡さなければならない。

「差押え前」に賃貸不動産の引渡しがなされている場合、借主は買受人に賃借権の主張をする事ができます。

貸主の地位は買受人に移転します。そのため、借主は建物を明け渡す必要はありません。

その為、選択肢④は誤っています。

「賃貸不動産経営管理士」の試験 平成28年の過去問15の解答とまとめ

賃貸不動産の所有権移転と賃貸借契約上の地位の移転に関する問題 「賃貸不動産経営管理士」の試験まで52日 平成28年の過去問 問15

最も適切なもの(正しいもの)の選択肢は、①です。

今日の問題の内容は下記の様になります。

  • 貸主が、自己の所有建物を借主に賃貸して引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移転登記を完了した場合には、特段の事情がない限り、貸主の地位もこれに伴って第三者に移転し、敷金に関する権利義務も第三者に承継されます。
  • 建物について抵当権が設定され、その登記がされた後に、賃貸借契約が締結された場合、抵当権の設定がある事を承諾した上での契約ですので、この抵当権が実行され買受人に当該建物の所有権が移転したとき、借主は買受人に賃借権を主張することができません。
  • 抵当権設定登記がされる前に賃貸借契約が締結された場合、賃貸借契約がある事を承諾した上で設定した抵当権です。借主が当該建物の引渡しを受けた後に抵当権が実行され、買受人に当該建物の所有権が移転したとき借主は買受人に対して賃借権を主張すると事ができます。
  • 担保権の登記がされていない建物で「差押え前」に賃貸不動産の引渡しがなされている場合、借主は買受人に賃借権の主張をする事ができます。
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