「賃貸不動産経営管理士」の試験まで107日
「賃貸不動産経営管理士」の試験まで107日。
1か月ぶりの更新となります。
最近、モデルナ製のワクチンを接種して少し熱が出て休んでいました。
「賃貸不動産経営管理士」の試験 令和2年の過去問 問11
【問 11】 賃貸人AがBに賃貸し、BがAの承諾を得てCに転貸する建物についてのAB間の原賃貸借契約の終了に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- AB間の原賃貸借契約に、同契約の終了によりAが転貸借契約を承継する旨の特約がある場合、AB間の原賃貸借契約が終了すれば、AはBの転貸人の地位を承継するが、BのCに対する敷金返還義務は承継しない。
- AがBの賃料滞納を理由として有効に原賃貸借契約を解除したとしても、AがCに対して催告をしていなかった場合は、AはCに対して建物の明渡しを請求することはできない。
- AB間の原賃貸借契約が定期建物賃貸借契約で期間満了により終了する場合、AがCに対して原賃貸借契約が終了する旨を通知した時から6か月を経過したときは、AはCに対して建物の明渡しを請求することができる。
- AがBとの間で原賃貸借契約を合意解除した場合、その当時、AがBの賃料滞納を理由とする原賃貸借契約の解除権を有していたとしても、AはCに対して建物の明渡しを請求することはできない。
上の図で不動産オーナーと不動産管理会社の間の原賃貸借契約(マスターリース契約)が終了した場合の話となります。
1.AB間の原賃貸借契約に、同契約の終了によりAが転貸借契約を承継する旨の特約がある場合、AB間の原賃貸借契約が終了すれば、AはBの転貸人の地位を承継するが、BのCに対する敷金返還義務は承継しない。
原賃貸借契約(マスターリース契約)の終了により不動産オーナーが転貸借契約を承継する旨の特約は有効です。不動産オーナーに貸主の地位が承継された場合、それに伴って、敷金に関する権利義務も新賃貸人に承継されます。その為、原賃貸借契約(マスターリース契約)の終了により原賃貸人Aが転貸借契約を承継する旨の特約がある場合、AB間の原賃貸借契約が終了すれば、Aは、Bの転貸人の地位を承継し、BのCに対する敷金返還義務も承継します。
その為、選択肢①は誤っています。
2.AがBの賃料滞納を理由として有効に原賃貸借契約を解除したとしても、AがCに対して催告をしていなかった場合は、AはCに対して建物の明渡しを請求することはできない。
原賃貸借契約(マスターリース契約)が転貸人(不動産管理会社)の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了します。この場合、終了した旨の催告をする必要はありません。
その為、選択肢②は誤っています。
3.AB間の原賃貸借契約が定期建物賃貸借契約で期間満了により終了する場合、AがCに対して原賃貸借契約が終了する旨を通知した時から6か月を経過したときは、AはCに対して建物の明渡しを請求することができる。
建物の転貸借がされており、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合において、貸主(不動産オーナー)は、建物の転借人にその旨の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から6か月を経過することによって終了します。したがって、賃貸人Aが転借人Cに対して当該通知をした時から6か月を経過したときは、AはCに対して建物の明渡しを請求することができます。
その為、選択肢③は正しいです。
4.AがBとの間で原賃貸借契約を合意解除した場合、その当時、AがBの賃料滞納を理由とする原賃貸借契約の解除権を有していたとしても、AはCに対して建物の明渡しを請求することはできない。
賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができません。
ただし、解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、合意解除をもって賃借人に対抗できます。よって、賃貸人Aが賃借人Bの賃料滞納を理由とする原賃貸借契約の解除権を有していた賃貸人Aは賃借人Cに対して建物の明渡しを請求することはできます。
その為、選択肢④は誤っています。
「賃貸不動産経営管理士」の試験 令和2年の過去問 問11の解答とまとめ
正しいものの選択肢の③になります。
- 原賃貸借契約(マスターリース契約)の終了して、不動産オーナーが貸主となる場合、転借人が預けている敷金の返還義務も承継される。
- 不動産オーナーと不動産管理会社との原賃貸借契約(マスターリース契約)が、債務不履行で解約される場合、不動産オーナーの権利が強くなり転借人に対して目的物の返還を請求した時契約は終了します。
- 不動産オーナーと不動産管理会社との原賃貸借契約(マスターリース契約)が、合意解約される場合、転借人の権利が強くなり転借人に対抗(目的物の返還請求)をする事ができません。
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